印刷と気温

印刷部
2023年9月15日

印刷工場が取り組むべき環境整備の一つ気温。
一年を通して夏場は暑く冬場は寒い、季節ごとの気温の変化に常に対応しなければならないのが印刷オペレーターです。
本記事は気温の変化が印刷にどのような影響を与えるのかいくつか代表的なものをご紹介したいと思います。

 

印刷現場に適した気温

では印刷に適した気温はどのくらいなのか?
一般的に印刷工場の気温は25℃±3℃が適温とされています。
これはなにもオペレーターが作業しやすい気温というわけではなくインキへの影響が大きいためです。

インキの流動性の変化

インキに使用されている原材料の違いなどで個体差があり元々硬い物もあれば柔らかい物もあったりと様々ですがインキは液体ですので暑ければ柔らかく寒ければ硬くなります。
この変化が印刷オペレーターを悩ませる非常に厄介な変動要素の一つとなっています。

夏場など気温が高い時

気温が高い時インキは柔らかく粘り気がなくなりトロトロな状態になります。
この状態のインキを使用することで起こるトラブルが地汚れです。
地汚れとは本来印刷の必要が無い非画線部に現れる印刷トラブルの一つです。
用紙全体にうっすら縞状に汚れだすのが一般的でこの地汚れが一度出てしまうと正常の状態に戻すのが非常に困難となります。
そしてこの地汚れは夏場だけ出るという訳でもありません。
機械が持つ熱にも影響されます。
機械が動き続けることにより機械の温度が上昇、インキが柔らかくなり地汚れに発展するケースもあります。

インキが柔らかくなり地汚れが発生した際の対処

・空調設備や保冷剤を用いてインキの温度を下げる。
・ワニス等の添加剤でインキの粘度を上げる。
・事前準備として冷蔵庫でインキを冷やしておく。
などの対処法を弊社の印刷現場では実践しております。

冬場気温が低い時

夏場とは逆でインキは硬くなります。
インキが硬くなるとどのようなトラブルが発生するのか。
まずインキの乗り(紙にインキが移らない)が極端に悪くなります。
特に冬場朝一の印刷はインキは硬く機械は冷え込んでしまっており印刷業務開始まで時間を要してしまい効率の低下を招いてしまいます。

インキが硬くなっている時の対処法

・空調設備やドライヤーなどを用いてインキを温める。
・添加剤でインキの硬度を下げる。
・事前準備として空調設備のタイマー設定で出勤前に工場をある程度暖めておく。暖機運転などが挙げられます。

インキ以外への影響

少し特殊な事例ではあるもののインキ以外への影響もご紹介したいと思います。

ブランケットの硬化

気温の低下に伴いゴム製品であるブランケットが硬化してしまうことがあります。
基本的にブランケットはテンションをかけた状態で使用するので問題はないのですが特殊な例としてエアータックと呼ばれる版銅に貼り付けるだけのタイプのブランケットが存在します。
テンションをかけずに貼ってあるだけなのでブランケットが硬化した際、柔軟性がなくなりインキが上手く転写出来ず印刷不良を引き起す事があります。

CTPの出力不良

現像液が冷えすぎて通常のヒーティングでは十分に温めることが出来ず高い確率で不良出力となります。
不良出力の版は程度にもよりますが、全く使い物にならない物から辛うじて印刷は出来るものの対刷性が著しく低下しており数百枚印刷しただけで画線部が飛ぶ(消える)事があり印刷不良に繋がります。(紙版の場合通常5000枚程度印刷可能)

あらゆる薬品が馴染まない

色を変える際インキローラーを洗浄する訳ですが綺麗に洗浄するためのペースト状の薬品が冷えて硬くなってしまいインキローラーに馴染まないという事が起こります。

まとめ

四季を通して毎年のように起こる気温の問題。
頭ではわかってはいても即座に解決に至らない難しい問題でもあります。
今回はそんな気温との戦いについて触れさせていただきました。

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