部署レポートIsen Note

値上げに対抗するための印刷工場の小さな努力

最近身近な物(食料品、生活雑貨など)の値上げが止まりません。
それは印刷現場も例外ではなくインキ 用紙 薬品と印刷に必要不可欠な備品が軒並み値上げされている状況です。
本記事では印刷の現場なりの値上げ対策を紹介したいと思います。

刷り色をまとめる

当社の印刷現場では1色ずつ印刷する単色枚葉機と呼ばれる機械で印刷しているため、刷り色を変更する際は一旦ローラーの洗浄をしなければなりません。
そこである程度刷り色をまとめて印刷することにより洗浄回数を抑え薬品の節約に繋げています。また洗浄の際に廃棄するインキ量も少なくてすみますので、インキの節約にも効果があります。

メリット

色替え回数減による薬品の節約。

インキの節約。

時間の効率化。

デメリット

納期のリスク(同じ刷り色の注文が同じ日に来るとは限らない状況でまとめるため時間があけばその分納期のリスクが大きくなります。)
印刷にとりかかる見極めが難しい。

印刷のおける予備紙を抑える

数十枚程度の微々たる節約にはなりますが継続する事により確実にコストを抑えることが出来ます。

メリット

予備紙を減らすことによるコスト削減。

印刷に費やす時間そのものの節約。

デメリット

後工程(製本作業)のリスクが増加。

極端な予備紙の削減は出来ない。

機械の故障を防ぐ

印刷機械を構成している部品は非常に高価なパーツが多く一つの故障で高額な修理費費用がかかります。
下手に調子の悪い状態のまま使用すると予想外のトラブルが発生したりムダにコストがかかってしまうこともあります。
そして費用面だけではなく故障中の機械は生産が出来なくなり現場の生産性が一気に落ちてしまいますので現場にとって機械の状態は非常に重要な要素です。

機械の定期的なメンテナンス

完全に故障を防ぐという事はできませんが、定期的なメンテナンスを実施して消耗部品の交換サイクルを延ばしたり、小さな異変を探し大きな故障に繋がらないよう気を配っています。
また簡単な部品の交換作業などの場合オペレーター間で手順を共有し対処出来る様にしており、業者に頼らず修理出来る様にしています。

適切な消耗品・パーツの交換

修理記録も残し、管理していくことで消耗品の交換時期の把握や修理の詳細がわかり、機械の状態の共有もできるようになります。

備品発注の際送料を抑える

薬品やインキ購入の際、物によっては送料がかかることがあります。
取引先の業者さんに相談して他社さんとまとめる事で送料を無料にしたり備品購入の際も注意しています。

その結果場合によっては納期がかかることもありますので、出来るだけ前もって発注をかけるようにしています。

シルバーマスターの再利用

基本使い捨てと思われるシルバーマスターですが通す枚数によっては再利用も可能です。
小ロット印刷で使用した版を特殊な薬品でインキを綺麗に落とし保管。
次回のリピート注文時に使用することで刷版出力の費用を抑えます。

まとめ

代表的なものになりますが、以上が弊社工場で実施しているコスト削減のための努力です。いくつかご紹介させていただきましたが、全ては意識の問題であるようにも思えます。無駄を極力排除し、情報の共有を図ることで一つ一つは些細な効果なのかも知れませんがそれぞれが意識し、継続していくことで大きな成果に繋がるのだと思います。
値上げが続き、出口の見えない昨今、工場という一部署だけでは限界があるとは思いますが品質を下げることなく、なるべくコストを抑えるためオペレーター一同これからも努力を重ねていきたいと思います。

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